佐賀県議会は、平成28(2016)年3月には「全体像を明らかにして、議論を着実に進める」との決議を行った。

 加えて、今般、県が公表した「論点整理素案」において、県民の安全・安心に関わる論点について概(おおむ)ね不合理な点がないことを確認できたことや、中期防衛力整備計画に位置付けられた重要な計画であること、佐賀空港が防災拠点として機能強化され、県民の安全・安心に繋(つな)がること、市街地に隣接する目達原駐屯地の諸問題が改善されることなど、総合的に検証した結果、県議会としては、国の防衛は国家の基盤である国土と国民の生命・財産を守り、民主主義を基調とする我(わ)が国の独立と平和を守る礎であるという思いもあり、今回の防衛省の計画を受け入れるべきと判断せざるを得ない。

 県に対して、公害防止協定に基づく事前協議を行う環境を整えながら、防衛省の要請を受け入れる判断を行うことを要請する。

 ただし、漁業関係者や地元住民には依然として「反対」の声が根強くあることは十分承知しており、「反対」の背景には計画に対する不安や国への不信感があるものと考えている。今回の計画を進めるためには、国はもちろんのこと、県および県議会がその払拭(ふっしょく)に取り組み、信頼関係を構築していくことが不可欠である。

 よって国および県に対し、以下の安全対策や補償措置、有明海再生や水産振興のための必要な施策を講じるとともに、信頼関係の構築に向けた環境整備を進めるよう、強く要請する。

    記

1 県に対しては

 (1)今回の要請を受け入れるためには、漁業者の理解を得ることは不可欠であることから、漁業者側の声を代弁し国へ確実に届けるとともに、漁業者の理解が促進するよう努めること

 (2)今回の要請を受け入れるに当たっては、県の考えについて県民に丁寧に説明すること。特に公害防止協定の相手方である佐賀県有明海漁業協同組合、佐賀県農業協同組合、佐賀市や、県と環境保全に係(かかわ)る合意書を交わしている柳川市の理解を得ること

 (3)防衛省が説明で示した対策や十分な補償措置等が確実に講じられているかを検証するため、県と防衛省および関係機関で構成する協議会等の組織を設置し、県民の安全・安心の確保に努めること-を要請する。

2 国に対しては

 (1)今回の要請は、諫早湾干拓事業問題にも関わる有明海全体の問題としての対応が必要であり、漁業者の不信感の払拭と信頼関係の構築のために、安全対策や補償措置の確約、有明海再生や水産振興のための新たな施策の展開など、あらゆる手段を講じること

 (2)沖縄のオスプレイ不時着事故やノリ養殖・コハダ(コノシロ)漁等漁業への影響など、地元住民をはじめ県民の理解が進むよう引き続き丁寧な説明を実施すること-を要請する。

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