カメラ業界の苦境が続いている。高精細な写真が撮れるスマートフォンの台頭で販売減少に歯止めがかからず、ニコンなどリストラを迫られる企業も出た。各社は特色のある商品などで顧客をつなぎ留めようと躍起だ。

 カメラ映像機器工業会によると、日本企業による2016年のデジタルカメラの出荷台数は輸出を含めて2418万台となり、5年前から約8割減。スマホと違いを出しづらいコンパクトカメラの減少が著しい。

 市場の縮小でメーカーは業績悪化に苦しむ。ニコンは17年3月期の連結純損益を90億円の赤字と見込み、千人の早期退職者を募った。身に着けて撮影できる昨年発売のウエアラブルカメラは不振で、高機能コンパクトカメラの新商品「DLシリーズ」も予定していた販売を中止した。「全カテゴリーで市場が想定以上に減速している」と危機感を隠さない。

 リコーは事務機器の不振にデジカメの収益悪化が追い打ちをかけ、17年3月期の純利益が前期比94・5%減の34億円だった。

 厳しい現状に各社は対応を急ぐ。ニコンはスマホと違いを出せる高倍率モデルに力を入れ、リコーも機種を絞り込む。ソニーは無音、無振動で撮影できる電子シャッターを搭載した高級モデル「α9」を発売する。

 富士フイルムは、その場で印刷できるインスタントカメラ「チェキシリーズ」で、正方形の「ましかく写真」に対応した新製品を販売する。キヤノンは、携行性やファッション性も重視した製品を売り出し、新製品を自由に触れるカフェを東京・渋谷に期間限定で開設するなど若い顧客との接点も模索する。【共同】

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