開門の論議は「別の場」と切り離し、開門しない前提を曖昧にしたまま協議を進める国の基金案を巡り、長崎地裁は6日、推移を見守る姿勢を見せた。開門を求める漁業者も、反対する営農者も「開門しないことが前提でなければ成り立たない」とする基金案。漁業者たちは「官僚の汚いテクニックだ。だましているのではないか」と反発、和解協議はなお混迷を深めている。

 長崎県以外の3県や各漁協・漁連が開門調査を求める立場を崩していない以上、基金案が成立するのか先行きは見通せない。漁業者側の馬奈木昭雄弁護団長は「国は開門しないのが前提でなければ(基金案を)実行しないなら、中身を議論しても意味がない」と憤る。

 仮に4県協議で基金案の成案ができたとしても、和解協議で漁業者側が応じなければ、国は撤回する考えに変わりはない。開門派の外堀を埋めるような国の手法に、「そうなれば(開門を求める)われわれが駄々っ子という話になる。これが国のやり方」と批判した。

 一方、営農者側の山下俊夫弁護団長は「4県協議で基金案の成案を出していただき、それが国が主張する開門に代わる特別の措置と解釈されるべき」と強調。「方向性としては私たちが思い描く通りに進んでいる」と評価した。

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