記者会見する原告の志村康さん=佐賀県出身、左=と竪山勲さん=29日午後、熊本市

 ハンセン病療養所に設置された「特別法廷」で死刑判決を受け、元患者の男性の刑が執行された「菊池事件」を巡り、検察が再審請求しないのは違法だとして、元患者6人が29日、国に1人当たり10万円の賠償を求める訴訟を熊本地裁に起こした。

 原告の元患者側は、全国ハンセン病療養所入所者協議会など3団体の代表らで「特別法廷によって助長された差別や偏見からの被害回復を求める権利を侵害され、精神的苦痛を受けた」と主張している。

 菊池事件は1952年、熊本県内の村職員を殺害したとして元患者の男性が殺人罪に問われた。無実を訴えたが、菊池恵楓園(同県合志市)などに設けた特別法廷で死刑が言い渡され、57年に確定。62年に執行された。

 弁護団は、特別法廷は国の隔離政策の一環であり、法の下の平等や裁判の公開原則を定めた憲法に反するとしている。【共同】

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