◆国推進も整備進まず

 全国に約700ある災害拠点病院のうち、災害時に医療活動を続けるためのマニュアルを整備済みの施設が45%にとどまることが6日、共同通信の調査で分かった。病棟の被災や、ライフラインの途絶で多くの病院が機能を失った東日本大震災を教訓に、国はマニュアル作りを促してきたが、震災から6年たっても十分に進まない現状が浮き彫りになった。

 マニュアルは被害を最小限に抑えるための事前の備えや、平時の機能を速やかに取り戻すための段取りなど、災害時の中長期的な対応を盛り込むもので事業継続計画(BCP)と呼ばれる。

 大震災や昨年4月の熊本地震では、病棟が津波や地震で使えなくなったり、外部から支援が殺到し調整が難航したりした事例が続出。厚生労働省はガイドラインを出すなどして、BCPを作るよう求めてきた。

 災害拠点病院を指定する都道府県に状況を今年1月末、アンケートで尋ねた。全国の災害拠点病院715施設で、BCP策定済みは322(45%)だった。未策定の393(55%)のうち、177が策定中。「予定なし」は16で、残りは詳細不明だった。

 整備が進まない理由として、1施設を除き未策定の鹿児島は「人的、時間的余裕がない」と答えた。山口は「ノウハウ、マンパワー不足」を挙げ、東京は「病院内で部署間の調整に時間がかかっているようだ」としている。

 BCPと別に、多くの病院は災害時の主に初動対応を整理した「災害対策マニュアル」を持つ。山梨は「災害対策マニュアルとBCPの違いや関連性が分かりにくく、BCPの重要性が理解されていない」と回答した。

◆県内は2病院策定

 佐賀県医務課によると、県内8医療機関のうち、策定済みは県医療センター好生館と佐賀大学医学部附属病院の2カ所。嬉野医療センター、唐津赤十字病院、白石共立病院、伊万里有田共立病院、やよいがおか鹿毛病院の5カ所が策定中。多久市立病院が未策定で、県は、人員や予算が限られ、検討事項が多岐にわたり、策定に時間を要するためとしている。

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