貯金が底をつき財布の中は1000円だけ。無人の神社のさい銭箱から現金約7500円を盗んだ40代の男性被告は、ほぼ決まっていた働き口に勤めるまでのつなぎの生活費に窮していた。「強がって誰にも相談できなかった」。佐賀地裁の公判で後悔を口にした。

 昨年の夏、派遣切りに遭って職を失った。再就職のために面接を受けた15社は全て落ちた。生活は苦しかったものの、プライドが邪魔をして、近くに住む母親には頼れなかった。逮捕された時も、刑事に「言わないで」と懇願した。

 休日に公園などでごみ拾いのボランティアを1人で続けていた。神社の近くで清掃中、境内のさい銭箱が目に留まった。頭の中が「お金がない」というささやきでいっぱいになり、手を伸ばしてしまった。

 現場で「さい銭箱は鍵が外れていた」と警察官に供述したが、車の中から工具が見つかると「自分で開けた」と翻した。法廷では、息子に代わって神社の管理者に謝罪したことを母親が明かし、被告が反省の弁を述べた。「情けない。恥を捨てないともう先はない」(判決=懲役1年、執行猶予3年)

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