東の浜を舞台に描いた「潮騒」(2006年、120号)

最新作の「松と城〈唐津追想〉」(2016年、50号)

画業60年の多彩な作品が並ぶ会場=唐津市近代図書館

 唐津市浜玉町出身の洋画家楢崎重視(ならさきしげみ)さん(88)の里帰り展が唐津市近代図書館美術ホールで開かれている。20代から近年まで約50点の中に、唐津を主題にした作品が2点ある。唐津を離れて60年余。望郷の思いが年々募るといい、今年の日展には初めて唐津城と松原を描いた大作を出品する。

 楢崎さんは1927(昭和2)年、玉島神社に近い浜玉町南山に生まれた。玉島小から佐賀師範学校に進み、卒業後、1年だけ浜崎中に赴任した。その後、画家を志し上京。以来、東京で暮らしながら日展や東光展で活躍してきた。

 唐津での大がかりな展覧会は97年以来。2001年の東光展で文部科学大臣奨励賞に輝いた「三人の踊り子」など色彩豊かな作品とともに、唐津をテーマにした二つの作品が目を引く。

 一つは「潮騒」(120号)で10年前、娘、孫と一緒に唐津シーサイドホテルに投宿した際、海辺で遊ぶ2人を描いた。エメラルドの美しい色調が、浜崎海岸や東の浜で泳いだ少年時代の海の色と重なるようだ。

 もう一点が「松と城〈唐津追想〉」(50号)。写生ではなく、「唐津の象徴である松原と唐津城を入れた作品を描きたかった」といい、8号の小品に続いて、この50号を今年制作。今は日展に向け、100号の連作に取りかかっている。

 「ふるさとを懐かしく思う気持ちが年々強くなり、気持ちの変化を絵に表してみたかった」と楢崎さん。13日には会場を訪れる。

 会期は25日まで。入場無料。

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