■明治大学文学部特任教授 藤井剛氏

 「1票が生活を変える」意識を

 3年生と1、2年生の回答にあまり差がないのが第一印象だ。まだ18歳になっていない3年生がある程度いることもあるだろうが、投票行動が3年生の考え方にあまり影響を与えていないとも言える。

 驚いたのは地方選挙への関心の薄さ。政治の話題が日常的に交わされる大人の世界とは違い、高校生が地方選挙を認識しだすのは選挙ポスターが貼られてからという状況も考慮に入れなければならない。

 だが「民主主義の学校」とも言われ、国政より身近であるはずの地方自治でこうした状況が起きるのは深刻だ。国政選挙と比べ政策の違いが分かりにくいなど、地方選挙の難しさをしっかりと認識しながら主権者教育を進めていくしかない。

 若者が投票を棄権する主な理由として、「関心がない」「面倒くさい」「投票先が分からない」「自分の1票で政治が変わるとは思えない」の四つが挙げられる。関心のある問題を問う質問では「若者の就職、労働問題」など高校生にとって身近なテーマが上位に入っている。この意識を投票行動につなげ、自分の投票が役に立つんだという「有用感」を高めることが必要だ。

 日本の政治家を「信頼していない」と答えた生徒が6割を超えた。他のアンケートでも同様の結果が出ており、これは全国的な傾向。外国で同じ質問をすると「信頼している」と「していない」の数字が逆転する。政治家が襟を正さないと、投票に行かない若者を増やすことになりかねない。

 「高校生が政治や選挙に関心を持つために、どんなことが必要か」との質問に、学校での主権者教育と答えた生徒が多かった。主権者教育をちゃんとやらなければならない、と再認識させられた。高校生に、1票を投じることが自分の生活を変えるんだという意識を持ってもらいたいし、そのために学校は頑張ってほしい。

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