国営諫早湾干拓事業の開門差し止め訴訟を巡る和解協議に関連し、佐賀県の山口祥義知事は8日、国が長崎地裁の勧告に沿って提案している開門しない前提の基金案と、国、県、漁協などで協議している基金的予算は「別物」と述べ、事実上同一視するような国の対応に不快感を示した。県は有明海再生に向け、開門調査を求める姿勢を堅持している。

 和解協議で国が提示した基金案について裁判所は、運用主体となる沿岸4県や各漁協・漁連に対し、受け入れの諾否を聞き取るよう国に求めていた。現在、賛意を示しているのは長崎県だけ。6日の和解協議で国は、4県や各漁協・漁連と構成する有明海漁場環境改善連絡協議会で議論が続いているとして「基金案の成案を得たい」と報告した。

 これに対し山口知事は、8日に開会した県議会で「協議会で議論する『基金的予算』は、和解協議の基金案とは別物であることが確認されている」と強調した。その上で、裁判所に対する国の報告に関し「混在して考えているのではないか」と指摘した。

 和解協議を担当する農水省農地資源課の横井績課長は「協議会は開門には触れない前提で、基金的な予算の必要性や水産資源の回復など、一致している部分を議論している」と説明した。山口知事が懸念を示したことには「それぞれの立場があり気持ちは理解している」としつつ、「(開門を前提としない)和解勧告に沿った解決に努力している」との立場に変わりないとして、開門は別途歩み寄りを探る意向を示した。

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