食育をめぐり講演する竹下和男さん=佐賀市のアバンセ

 食を通して、健全な体と心を育てる「食育」を考える講演会が佐賀市のアバンセであった。子どもが親の手を借りずに弁当を作る「弁当の日」の提唱者で香川県の元小学校長・竹下和男さんが、小さい頃から台所に立って料理の楽しさや感謝されることのうれしさを味わうことの大切さを語った。

 竹下さんは、5歳の子が病気で他界する前の母と交わした「朝、お父さんにご飯とみそ汁を作ってね」という約束を守り、毎日手紙を添えて料理する「はなちゃんのみそ汁」の話を紹介。子どもの成長には前頭前野の働きが鍵といい、「最も発達する時期に誰かのために頑張って、喜んでもらう感覚が育つと相手の気持ちが分かる人になる」と話した。

 また、「子育てを楽しむ親で育った子どもは、子育てを楽しむ大人になる」と言い、子どもの将来の姿を想像しながら今と向き合う大切さを伝えた。

 この日は、学生に自炊を身に付けさせる授業「自炊塾」に取り組む九州大の比良松道一准教授の講演とこばと保育園(多久市)、牛津中(小城市)の食育に関する取り組みの事例紹介もあった。

 講演会は県と県教育委員会が主催。「食で育む生きる力~食育実践応援事業」の一環で開き、約300人の保護者らが聴講した。

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