配偶者控除見直しの方向性

 政府税制調査会(首相の諮問機関)は9日、官邸で総会を開き、専業主婦世帯などの所得税額を軽減している配偶者控除を見直す検討に本格着手した。配偶者の働き方や年収を問わない「夫婦控除」の導入が有力だが、税収は大幅に減少する可能性があるため、政府は財源確保の検討も本格化。税収減の抑制策として夫婦控除などの所得制限が浮上するが、負担増となる世帯の理解が得られるかが課題となる。

 総会には安倍晋三首相が出席。増加する共働き世帯に配慮し、夫婦控除へ転換する案を軸に、11月ごろに見解を取りまとめる方向だ。首相は「女性が就業調整を意識せずに働けるようにする」と述べ、検討を進める考えを表明した。

 総会の開催は約4カ月ぶり。政権の掲げる「働き方改革」と連動させて女性の就労を後押しする狙いだが、専業主婦世帯の負担が増す可能性もあり、具体的な改革案を固められるかは流動的だ。

 配偶者控除は、配偶者の給与収入が年103万円以下の場合に適用される。パートで働く主婦らが控除に合わせて労働時間を抑える「103万円の壁」をなくす狙いも込め、首相が2014年に見直しの検討を指示。政府税調はこれまでの論点整理で、夫婦控除や高所得者に限って配偶者控除を廃止する案などを示していた。与党も議論を進める予定で、自民党の宮沢洋一税制調査会長は17年度税制改正での実現に意欲を示している。

 所得税を巡り政府税調はほかの控除を含め、高所得者ほど有利な「所得控除」方式の見直しを議論。企業の国際的な課税逃れへの対応も話し合う。

 全ての人の所得税に適用される基礎控除の扱いも焦点となる。高所得者ほど減税の効果が大きいため、控除を段階的に縮小したり、減税額を一定にする「税額控除」に変更したりすれば財源を賄える。【共同】

このエントリーをはてなブックマークに追加