総務省が発表した7月の参院選投票率で、18歳が51・28%と20代、30代の抽出調査結果よりも高かったのは、学校現場や各地の選挙管理委員会、NPO法人が行ってきた出前授業、模擬投票など、高校生への主権者教育が浸透した成果と言えそうだ。70年ぶりに選挙権年齢が引き下げられた歴史的節目だったが、こうした取り組みを一過性のものにせず、継続していくべきだ。

 主権者教育は、単に政治や選挙の仕組みに関する知識を伝えるだけではない。総務省の研究会は「国や社会の問題を自分の問題として捉え、自ら考え、自ら判断し、行動していく」主権者を育てるために行うものと定義している。

 少子化傾向により、全人口に占める若者の割合は減り続けている。その中で、雇用や景気対策、子育て支援などの課題に対して当事者である若者が自らの意見を持ち、候補者や政党の政策を判断できる目を養うことは不可欠だ。主権者教育の重要性はますます高まっている。

 今回の調査で明らかになった課題も多い。都市部に比べて地方の投票率が低い傾向が見て取れ、高校を卒業した人の多い19歳は18歳より平均で約9ポイントも低かった。原因を分析して今後の主権者教育に生かし、全体を底上げしていく努力が政府や地方自治体、政党、政治家に求められる。

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