早津江支所青年部 船津優太さん

仮屋漁協青年部 岩下慎司さん

県有明海漁協諸富支所女性部 田中晃代さん

 漁業技術向上や漁村活性化の取り組み事例を発表する「第62回佐賀県青年・女性漁業者活動実績発表大会」が8月31日、佐賀市内であった。魚価低迷や担い手不足の厳しい現状の打破に向け、ノリ養殖技術や生産加工の研究、島おこし、ブランド化など多彩な取り組みが発表された。知事賞を受賞した3人の発表内容を紹介する。

■ノリ養殖管理でうま味 早津江支所青年部 船津優太さん

 出発点は「養殖管理で味に差が出るはず」という問題意識だ。青年部員が作ったノリを持ち寄り、うま味の指標となるタンパク含有量を近赤外線装置で計測した。テンプレッサーのそしゃく回数で口溶けを数値化し、養殖管理が品質に与える影響を調査した。

 測定結果と管理方法を比較したところ、引き潮の時にノリ網を日光と潮風に当てて干す「干出」の大切さが分かった。冷凍入庫する前に、十分に干出するほど口溶けが良くなる。養殖の期間を長くしすぎない方がタンパクが多い傾向があることや、活性処理から摘採までの期間は短い方がいいことなどを突き止めた。

 調査結果を踏まえて、独自に新たな養殖マニュアルを作成した。みんながチームとなってうまいノリを作り、漁家の収益を上げていきたい。

■マダイPR活動で認知 仮屋漁協青年部 岩下慎司さん

 唐津市の「ふるさと納税」の返礼品に採用され、全国の消費者からお礼の手紙が届くようになり、品質に自信を持ったことがきっかけだ。保育園での解体ショーや、2分の1成人式で食べてもらうなど食育活動で手応えをつかんでいる。

 外への展開では、東京の有名シェフを招いてロールキャベツなど新メニュー12品を開発。食べておいしいだけでなく、楽しんでもらえるように箱根水族館ではマダイの群れを見てもらえるようにした。

 集大成として行ったのは「真鯛(まだい)祭り」。3日間で2千人以上が訪れ、「PRしても無駄かもしれない」という気持ちが払しょくされ、やる気が上がった。

 仮屋にはマガキやトラフグもある。仮屋湾産がブランドとして認知されるよう、地域全体を盛り上げていきたい。

■ノリ委託加工事業検証 県有明海漁協諸富支所女性部 田中晃代さん

 ノリ養殖の海上での作業を漁家が担い、乾燥以降の工程を共同化する委託加工事業を検証するため、女性部員66人全員にアンケートを実施した。設備投資の負担軽減や作業時間の短縮効果が明らかになった。

 アンケートで「加入してよかった」と答えた人は97%。「漁期でも睡眠時間が確保できる」「育児や家事の時間が取れるようになった」と好評だった。一方、「思ったより収入が少なかった」との声もあった。

 課題は加工施設の順番待ちの時間の長さ。摘採に行く時間をグループ分けしたり、海水で鮮度を保つ工夫など必要なことが分かった。機械のオペレーターの確保も大事。期間限定の雇用で毎年違う人が操作していては、品質にばらつきが出やすい。品質向上で収入アップにつなげるためにも、オペレーターを育てたい。

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