◆たばこ白書2016

 屋内の公共施設でたばこを吸ったら罰金、そんな時代が近づいています。喫煙が肺がんをはじめとしてさまざまな病気の原因になることは誰もが認めるところですが、15年ぶりとなる今回のたばこ白書では「屋内の100%禁煙化を目指すべきだ」と厳しい提言内容になるようです。

 これほどの強い提言が出される背景には、他人が吸ったたばこの煙を吸うことによる受動喫煙が、肺がん、虚血性心疾患、脳卒中などを引き起こすことが確実とされたことと、たばこに対する日本の対策が世界的に見て「最低レベル」と判定されていることがあげられるようです。

 日本における喫煙者は年々減少しており、男性では32%、女性では7%となっています。男性の喫煙率は20年間で20%減少しましたが、ここ5年間は横ばいです。心配なのは女性の喫煙率で、20年間ほとんど減っていません。

 世界保健機関(WHO)によるたばこ対策への評価では、日本は「受動喫煙からの保護」「マスメディアキャンペーン」「広告、販売促進活動などの禁止要請」の3項目が「最低」で、G7諸国で最悪だそうです。

 自分自身も喫煙者であったことを思うと偉そうなことは言えませんが、喫煙によるリラックス効果やストレス解消という喫煙者の理屈があったとしても、喫煙者自身の健康被害だけでなく、周りの人に受動喫煙による被害を与えることを考えると、喫煙に対する強い規制も仕方ないことかと思います。

 私自身の経験では禁煙後、運動時の負担が明らかに軽くなり(年を取ってくると実感できます)、日々の疲労の回復も速やかになった気がします。現在さまざまな禁煙プログラムや禁煙外来があります。もし少しでもたばこをやめようと思われる方は、一度このようなサイトをのぞいてみてください。「すぐに禁煙JP」http://sugu-kinen.jp/

 (佐賀大医学部附属病院 検査部長・末岡榮三朗)

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