熊本地震を受け、佐賀県と鳥栖市は、国の補助金を活用した住宅の耐震改修費を補助する制度を導入する。関連経費を9月補正予算案にそれぞれ計上した。全国では8割の市町村が導入済みで、県内はこれまでゼロだった。他の市町も検討しているものの、導入には至っておらず、対応が遅れている。

 耐震改修補助は、旧耐震基準時(1981年以前)に建てた住宅が対象で、改修費の23%を補助金として国と地方(県、市町村)が折半している。事業主体は市町となる。

 県は1戸当たりの改修費を標準の150万円を目安として20戸分の補助金172万円を予算化した。鳥栖市は国、県の負担分を含めた300万円(5戸分)を補正予算案に組んでいる。鳥栖市建設課は「熊本地震では旧耐震基準の家屋の被害が大きかったと聞く。なかなか進まない耐震化を手伝うことができれば」と話す。

 耐震改修費の支援を受けるためには、事前の耐震診断で「地震で倒壊の危険性がある」と判定されることが必要となっている。木造住宅の耐震診断費は9万~6万円程度で、県は、国と市町分を合わせた3分の2の補助割合を6分の5まで市町と協力して上乗せする。予算は412万円(200戸)。

 診断の補助制度がある市町は現在、佐賀、唐津、鳥栖、伊万里、鹿島の5市と西松浦郡有田町。鳥栖市は補正予算で上乗せに対応する。新たに嬉野市と三養基郡基山町が拡充した補助制度の導入へ向け9月補正予算案に盛り込んだ。

 耐震化を急ぐ必要があるものの、多くの市町は慎重に検討を進める。2009年度に始めた診断補助制度の利用実績がない有田町の担当者は「厳しい財政状況でどこまで個人の財産に補助を出すべきか判断が難しい」と漏らす。神埼郡吉野ケ里町の担当者は「実際に制度を始めてどれだけの利用があるか未知数。他市町の動きや補助要項について情報収集を行っている段階」と説明する。

 県内の住宅耐震化率は13年度時点で推計74%。県建築住宅課は「熊本で多くの住宅の倒壊があって、意識が高い今のうちに耐震診断や改修を進めていきたい」としている。

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