B1戦略爆撃機(右の2機)と訓練する航空自衛隊のF2戦闘機=12日(米太平洋軍提供・共同)

 【ワシントン、ソウル共同】米太平洋軍は12日(日本時間13日)、北朝鮮による5回目の核実験への対抗策として、グアムに配備しているB1戦略爆撃機を朝鮮半島に派遣、日韓の周辺空域で両国の戦闘機とそれぞれ訓練を実施したと発表した。日米訓練は、昨年改定した日米防衛協力指針(ガイドライン)や防衛大綱に沿った措置としている。新指針は「適時かつ実践的な訓練」が抑止につながるとしており、北朝鮮の核の脅威を前に日米の運用一体化が今後さらに加速しそうだ。

 米軍は日米韓3カ国の連携を誇示することで追加核実験など北朝鮮の挑発をけん制する狙いがある。太平洋軍は今回の飛行が、自衛隊機がB1との編隊飛行を公海上で韓国空軍機に引き継ぐ形で行われたことを明らかにし、「北朝鮮の挑発行為に対し、日米韓3カ国の固い連携を示した」と強調。日韓の協力拡大に期待を示した。

 菅義偉官房長官は13日の記者会見で、九州周辺の訓練空域で日米共同訓練を実施したとし、「あくまで日米による対処能力や、部隊の技量の向上を図るためだ」と説明。北朝鮮に対する示威行動となるB1の韓国上空の飛行とは別だとの認識を強調した。

 太平洋軍や防衛省によると、訓練に参加したのは空自のF2戦闘機2機。九州周辺の訓練空域でB1爆撃機2機と編隊飛行し、迎撃訓練を展開した。B1は空自機との訓練の後に韓国軍のF15戦闘機と合流。ソウル南方の米空軍烏山(オサン)基地の上空などを米軍のF16戦闘機と共に低空飛行した後、グアムに帰還した。

 ブルックス在韓米軍司令官は烏山基地で「米軍は地域の同盟国を守る」との声明を発表した。

 ガイドラインは「日本の平和および安全の切れ目ない確保」のため、自衛隊と米軍が2国間、多国間訓練・演習を実施するとし「適時かつ実践的な訓練・演習は抑止を強化する」としている。

 米軍は8月、朝鮮半島有事の際の米軍増援拠点となる要衝グアムに、従来のB52戦略爆撃機に代わってB1を配備した。

 最新の精密攻撃能力を備え、グアムから約2時間で朝鮮半島に到達できるとされる。

 =ズーム= 

 ■日米防衛協力指針(ガイドライン) 自衛隊と米軍の協力や役割を定めた政府間文書。冷戦時代の1978年に旧ソ連の侵攻に備えて策定した。97年に朝鮮半島有事を重視した内容に改定。安倍政権は指針再改定を安全保障関連法と表裏一体と位置付け、2015年4月に中国の軍拡や北朝鮮情勢を踏まえて改定した。日米は15年11月、新指針に基づき平時から自衛隊と米軍の運用を調整する「同盟調整メカニズム」と共同作戦計画を検討する「共同計画策定メカニズム」を設置した。安保法は今年3月に施行された。

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