酒を10年断っていた。飲酒運転で事故を起こして逮捕、起訴された50代の男性被告。40代でアルコール依存症と診断されて入院治療を受け、退院後も自助グループの断酒会に身を置いてきた。

 介護士の資格を取り、3年ほど前に施設に就職した。多忙になり、断酒会の出席は次第に難しくなった。事故の数カ月前、職場で夜勤を任され、負担が増した。夜勤明けの朝、帰宅してもなかなか寝付けない。「酒の力を借りよう」と口にしてしまった。

 それからは、家族への後ろめたさもあり、コンビニで買ったカップ酒を外であおった。酒を飲んで車で帰宅中、対向車と衝突した。当時の記憶はほとんどなく、運転席から警察官に抱えられて降りた。

 飲酒運転の事故のニュースを見るたびに「次は自分かも」と不安に駆られていた。職場の人間関係は良好だったが、逮捕後に辞職を余儀なくされた。(判決=懲役10月、執行猶予3年)

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