フランスの原発で強度不足の疑いが指摘されている問題で、原子力規制委員会は14日、日本メーカーが納入した重要設備の鋼材の不純物濃度が基準を超えていたと明らかにした。規制委が同日までにフランス当局から報告を受けた。不純物濃度は強度不足につながる可能性があり、フランス当局が調査を進めている。

 問題となったのは大型鋳鋼品メーカー「日本鋳鍛鋼(ちゅうたんこう)」(北九州市)。同社は日本国内で、稼働中の九州電力川内原発1、2号機(鹿児島県)や玄海原発2、3、4号機(東松浦郡玄海町)を含む8原発13基の原子炉圧力容器を製造しており、電力各社が現在、調査を続けている。規制委の田中俊一委員長は同日、日本鋳鍛鋼など国内の原発に圧力容器の鋼材を供給したメーカーから製造時のデータを集めるよう事務局の原子力規制庁に指示。製造工程に不純物濃度の上昇につながる問題があれば、電力各社に詳しい調査を求めることも検討する。

 規制委によると、金属中の炭素成分に由来する不純物濃度の基準はフランスで0・22%以下だが、日本鋳鍛鋼が製造した重要設備は0・3%超のものがあった。0・25%以下とする日本の基準も超えていた。実際に強度不足があるかどうかは、製造時に残された金属片の破壊試験などで確認する必要があるという。

 日本鋳鍛鋼によると、フランス当局が強度不足の疑いを指摘したのは、1990~97年製の製品。当時のフランスの法規制に基づいて不純物濃度検査を実施し「基準値を下回ることを確認した」という。その後、規制が厳格化され、製造当時は検査が義務付けられていなかった部分で基準値超えがあったとしている。

 日本国内では、試作品のさまざまな部分を分解して不純物濃度を測定するなどし、製品納入時に国内の基準値を満たしていることを確認しているという。

 規制委によると、フランス当局が6月、同国内で運転中の原発18基の重要設備に強度不足の疑いがあり、調査を進めていると発表。日本鋳鍛鋼とフランスの「クルゾ・フォルジュ」が製造していた。【共同】

 =ズーム= 

 ■仏の原発強度不足疑惑

 フランスの規制当局が6月、同国内で運転中の原発18基の原子炉圧力容器など重要設備に強度不足の疑いがあり、調査を進めていることを明らかにした。設備を製造したのはフランスの「クルゾ・フォルジュ」と、日本の「日本鋳鍛鋼」。不純物の濃度が高い金属塊が材料に混ざっていたのが原因とみられる。日本の原子力規制委員会は8月、原発を所有する国内の電力各社に、圧力容器や蒸気発生器などの重要設備についてメーカーや製造方法を調べるよう指示していた。

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