グラス・シーリングは「ガラスの天井」と訳される。男女の間に今なお存在する性差による差別、いわゆる女性の社会進出における「見えない壁」のことである◆この言葉が米国の新聞で使われ出したのは1980年代半ばという。70年代からどんどん職場に進出し始めた女性たちが、こうした壁にぶつかった。上に昇れず、職場を去った人も多かった。それでも、このガラスを割ろうと奮闘してきた女性たちは後に続いている◆今でいえば、象徴的な存在が米大統領を目指すクリントン前国務長官である。そしてまた、この日本で民進党の蓮舫(れんほう)氏も「ガラスの天井に向き合う全ての人に元気を与えられる」と訴えての新代表選出だ。発信力があり、女性リーダーとして清新な顔が幅広く支持されたといえるだろう◆しかし、「二重国籍」問題はまだ尾をひくかもしれない。それ以上に立ちはだかる高い壁もある。旧民主党政権時代に失った国民の信頼をどう取り戻すのか。深い反省なくして次のステップは踏めない。議論はいいが、いつまでもまとまらないのはいかがなものか。「決められる政治」こそが求められる◆「自民1強」が続く中、安倍政治へはっきり対抗軸を示し、まずは地道に政策を打ち出していくことである。崖っぷちからの再出発ということを忘れれば、先は見えてこない。(章)

このエントリーをはてなブックマークに追加