県議会終了後、ある県幹部は不安げに、ある議員はあきれ顔で話す。「県教委は大丈夫か」。県立中学、高校の教育情報システムが不正アクセスされた事件。これまでに3人の議員が質問したが、教育長の答弁は具体性を欠き「なぜ」に答えていない。どこか人ごとのような印象が拭えない。

 事件が表面化したのは今年6月だが、その約1年前にはある高校で不正アクセス事案が発覚している。当時の担当課長は把握していたが教育長に報告せず、内部で情報が共有されることもなかった。結果的に大量の個人情報流出を招いた。

 教育長は「体制面に問題があった」とするが、なぜ情報が共有されなかったのか、ICT教育の推進に問題はなかったのか、答弁ではさっぱり分からない。県教委にシステム関係のプロはいないにしても、情報セキュリティーの徹底は常識の範囲の話だろう。本当に「思い至らなかった」だけなのかと邪推してしまう。

 不正アクセスされた県教委も被害者だろうが、情報が漏れた1万4355人もの生徒や保護者にもっと思いをはせるべきだ。現場の学校や業者にも責任はあるが、施策を進めてきた県教委はどうなのか。歯切れの悪い説明と対応では信頼回復は難しい。(林大介)

=教育情報不正接続事件=

【関連記事】
不正アクセスで17歳少年を追送検
不正アクセス 17歳少年の審判開始
佐賀県、個人情報を誤掲載
=論説= 教育情報不正接続
不正アクセス 生徒や保護者へ再度説明を
教育情報不正アクセス、7生徒が流出情報共有
成績管理システム、21万件不正入手 佐賀の少年再逮捕
佐賀県立中高9校が被害 佐賀県教委、1万人分まで確認
成績まで流出、学校動揺 生徒「二次被害怖い」
教育システム侵入 高校生15人に聴き取り
カード使わずTV無料視聴 佐賀市の少年逮捕
県立高タブレット導入1年 教員、生徒「四苦八苦」
タブレット端末、県立高導入まで2カ月

このエントリーをはてなブックマークに追加