■閣議決定、歳出は最大の97兆4547億円

 政府は22日、一般会計の歳出総額を過去最大の97兆4547億円とする2017年度予算案を閣議決定した。高齢化に伴う社会保障費の伸びを5千億円にとどめるため医療や介護の国民負担を拡大。景気回復の遅れで税収が頭打ちとなり、財政再建が滞ったまま暮らしは圧迫される。円安と低金利を前提に帳尻を合わせたが、恩恵を実感しにくい予算となった。

 総額は16年度当初予算に比べ7329億円増え、5年連続で過去最大を更新した。国債(借金)の新規発行額は34兆3698億円と16年度以下に抑えたが、歳入全体の35・3%を占める。基礎的財政収支の赤字額は10兆8413億円と5年ぶりに拡大する。国と地方の全体で20年度に黒字にする財政健全化目標の達成は一段と遠のいた。

 政府は予算案を年明けの通常国会に提出、3月末までの成立を目指す。

 政策経費は73兆9262億円。このうち社会保障費は4997億円増の32兆4735億円に膨らんだ。財政再建計画に沿って高齢化による伸びを概算要求から1400億円圧縮するため、医療や介護の保険料や窓口負担を一部引き上げる。消費税率10%への増税で予定した低年金者向け給付金など一部の施策は増税延期に伴い実施を見送る。

 地方交付税交付金(地方特例交付金を含む)は2860億円増の15兆5671億円を計上。特別会計からの加算分が縮小するため、自治体への配分額は16兆3298億円と16年度を下回る。

 重点施策では特別会計も含め1億総活躍関連に2兆9352億円、ロシアとの経済協力に35億円程度を充てる。防衛費は5年連続増で過去最大の5兆1251億円を確保し、政府開発援助(ODA)や観光庁予算も増やす。公共事業は微増の5兆9763億円とし、農業や教育などその他の経費はほぼ横ばいとした。

 借金の元利払いに充てる国債費は836億円減らして23兆5285億円とする。日銀のマイナス金利政策による市場金利の低下を踏まえ、利払いの想定金利を過去最低の1・1%に下げた。

 税収は57兆7120億円。16年度の見通しを今秋までの円高を理由に1兆7440億円も減額補正する一方、「トランプ相場」で円安に戻したことを追い風に17年度は補正後の16年度から2兆円近く増えると見積もった。16年度当初比では1080億円増にとどまる。

 国が保有する米国債の運用益といった税外収入は5兆3729億円に増加すると見込んだ。【共同】

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