国営諫早湾干拓事業を巡る潮受け堤防の排水門開門の是非に関し、司法判断がねじれている二つの裁判の和解協議と審尋が16日、福岡高裁で開かれた。漁業者側は、長崎地裁の和解協議で国が示している「開門を前提としない基金案」での合意はあり得ないとして、長崎地裁とは別に開門を前提とした協議に入るよう提案した。

 和解協議は非公開。終了後の会見で漁業者側の弁護団は、長崎地裁では開門差し止めを求める裁判の和解協議なのに対し、福岡高裁では開門に関する二つの裁判が事実上同時進行しており「こちらの方が開門を前提とした議論はしやすいはず。長崎地裁と並行しても問題ない」と述べた。

 国は基金案に関し、沿岸4県と各漁連・漁協、国で構成する有明海漁場環境改善連絡協議会で、開門に触れずに議論している状況を報告した。大工強裁判長は、長崎地裁の和解協議を見極めたいとして、次回期日を11月10日に設定した。

 この日開かれたのは、開門調査を命じた確定判決の勝訴原告である漁業者らに、制裁金などの強制執行をしないよう国が求めた請求異議訴訟の和解協議と、長崎地裁の開門差し止め仮処分決定に国が不服を申し立てている保全抗告審の審尋。両裁判は同時に審理されている。

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