長いタイトルに愛着を込め、「こち亀」と略すファンは多い。連載が40年続いた人気漫画『こちら葛飾区亀有公園前派出所』の最終回が掲載された週刊少年ジャンプが首都圏などの店頭に並び始めた。単行本200巻はギネス記録に認定され、世界的なロングランだった◆子どもの頃、ほかの漫画が目当てで掲載誌を買いながらも必ず目を通した。大人の笑いを教えてくれた作品だった。キーマンはもちろん主人公の両さんだ。破天荒で好奇心旺盛だから子ども相手の遊びでも手を抜かない。巻き込まれる方は大変だけど、なぜか楽しい◆著者秋本治さんは「あの子は悪い子だから付き合ってはだめと言われても、つい誘いに乗ってしまう悪友みたいな人」と両さんを評する。人情味を出すには優しさだけでは足りないと両さんから学んだ人も多いのではないか◆もちろん、こんな警察官はいない。同じフィクションでもドラマ『踊る大捜査線』が描く階級社会が警察組織の実態に近いと思う。ただ個人的に付き合えば、茶目っ気たっぷりの人も多い。元々は両さんのような型破りも少なくない◆連載が終わり寂しさもあるが、本を開けばいつでも両さんは帰ってくる。とくに警察官に時々読み返してほしい。市民のための警察、市民のための交番。両さんの豪快な笑顔が原点を思い出させてくれる。(日)

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