本年度で役目を終えた「投票箱」=佐賀市の佐賀商工ビル内の市協働推進課

 佐賀市は市民の投票で市民活動団体への補助金の配分額を決める「チカラット事業」を見直す。投票制度を廃止し、来年度からは有識者らによる外部審査委員会が判断する。補助団体は年度半ばにならないと補助額が分からず事業計画が立てにくいことや、市も投票などの事務経費が増えたため。市民が自分の1票で支援先を選ぶ仕組みは6年間で役割を終える。

 チカラットは、公募し、外部審査委員会の審査を経たNPOなど市民活動団体の事業について、18歳以上の市民が支援先を投票し、その数に応じて補助額を決める制度で、2011年度にスタートした。15年度までは36~45団体に348万~653万円を配分してきた。

 1票の支援金額は、市民税総額を「有権者」数で割った額で本年度は550円ほど。投票制度は1票を投じる行為を通して市民活動への関心を高めてもらおうと創設した。本年度は49団体が申請、6月から1カ月間が投票期間で、補助金842万円の交付は9月ごろだった。

 投票率は初年度が5・2%と最も低く、翌12年度からは十数%で推移し、本年度は11・7%、2万3423件の投票があった。このうち、1割超の3112票が二重投票などによる「無効票」だった。市は毎年、住民票などと照合して有効票かどうかを確認する必要があった。

 事務経費がかさみ効率性が課題となっていた。本年度当初予算のチカラット事業は1235万円。内訳を見ると、補助総額見込みの801万円に対し事務経費は434万円と2分の1を超えている。

 補助金を受ける団体側からも改善を促す声が出ていた。補助金は貴重な活動資金となるものの、集票を目指し本来の活動と関係ないPR活動を強いられるなどで「負担が大きい」といった声が漏れていたという。

 試算では、投票を廃止することで来年度の事務経費を59万円に減らし、補助総額を959万円に増やす。補助内容は1団体につき最大30万円は変わらないものの、連続で補助を受けられるのは2年までとする。総事業費15万円以内の事業に対しては、年限を設けない最大10万円の補助メニューも新設する。「チカラット」の名称は継続する。

 市協働推進課は「投票率は低いとは思っていない。5年間で市民活動への理解も進み、投票の役割は一定果たしたと判断した。より効率的で使いやすい制度にしたい」と説明している。

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