婚活や移住体験、被災地支援など、各自治体や市民団体が地域性を生かしたツアーで「地方創生」に取り組む中、旅行業法の認識不足が指摘されるケースが全国で相次いでいる。佐賀県が主催するツアーでも、募集するウェブサイトの記載内容の不十分な点が指摘を受け、修正した。事故時の補償など参加者が不利益を被る可能性もあり、観光庁は法令の周知を呼び掛けている。

 旅行業法では、参加者を募集し報酬を得てバスなどの交通手段や宿泊先を手配する場合、旅行業の登録が必要になる。佐賀県が指摘を受けたツアーは、福岡県の旅行会社が実施するため法的な問題はなかったが、サイトに掲載した申し込み先が資格を持たない委託先の会社になっているなど疑問が生じる状態だった。

 県などによると、当初の掲載内容は旅行会社のチェックが終わっていなかったという。担当者は「掲載可能と判断したが、結果的に確認が不十分だった」と認識不足を釈明する。

 同様のケースは全国にあり、秋田県で森林体験ツアーが中止になったほか、京都府でも婚活ツアーの内容を改めるなどしている。多くの問い合わせがあったため、観光庁は今年5月、参加者を募って費用を受け取るツアーを実施する場合、旅行業法に違反する疑いがあるとして、注意喚起を都道府県に通知した。これを受け、県は各市町や市民団体などに周知している。

 違反に気づかず実施すれば罰則があり、事故やトラブルが起きた場合、参加者にも補償などで不利益が生じる恐れがある。観光庁は「消費者保護の観点から募集の記載内容が決められている。法令順守を徹底してほしい」と話す。

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