蒸し暑い中、ボランティア活動でペットボトルを分別する佐賀大学生の谷本有紀奈さん(右)=佐賀市の佐賀大学本庄キャンパス

 照り付ける日差しの中、ペットボトルのふたを分別する作業に没頭していた。佐賀大学農学部2年の谷本有紀奈さん(20)は8月下旬、佐賀市の本庄キャンパスにある大学生協の裏で汗を流していた。集めたふたは企業に買い取ってもらい、発展途上国の子どもたちに接種する病気予防のワクチンの購入資金になる。「地道な作業だけど、子どもたちのためだから続けられる」とほほ笑んだ。

 北九州市出身。小中学校は国立大学法人の付属校、高校は進学校で勉強に追われ、ボランティア活動とは縁のない生活を送ってきた。「地域とか社会とかに貢献したい気持ちはあったんです。でも、何をどうしていいか分からなくて」

 きっかけは大学入学後だった。新しいことを始めたいと思っていたら、ボランティアサークルに勧誘された。第一印象は「楽しそう」。先輩たちの笑顔が並ぶパンフレットの写真を見て、「仲間づくりに役立つかも」と入会を決めた。

 勤労奉仕や社会貢献…。言葉を換えながら営まれるボランティア。小中高の学習指導要領でも、総合的な学習の時間で「積極的に取り入れること」の一つとしてうたわれている。「ボランティア元年」といわれた1995年の阪神・淡路大震災以降、災害ボランティアも一般的になった。

 ボランティア活動が就職の際に評価されるようになり、就活の有利なカードにしようと取り組む学生もいるという。そういう思惑で活動を始めた先輩が過去にいたと谷本さんも聞いた。

 「確かに就活に有利かもしれないけれど、そこまで計算していない。そもそも就活目的で入っても続かないんじゃないかな」。動機や目的はあくまで「喜んでくれる誰かのため」だ。

 ペットボトルのキャップ集めで昨年、400~500人分のワクチンを発展途上国に送ることができた。子どもたちから感謝の言葉を直接聞く機会はないが、数字を見て「役に立てた」という充実感が湧いた。

 同じサークルのメンバーも充実感は同じ。ただ、ボランティアに向かう気持ちは、それぞれ異なるようだ。

このエントリーをはてなブックマークに追加