DVDの中で手話語りをする平方さん

佐賀市立図書館の園田正広館長(右)にDVDを手渡す県聴覚障害者サポートセンターの伊東康博センター長=同図書館

 耳が聞こえない平方由佳里さん(46)=武雄市山内町=が、手話語りの映像付きDVD「李参平ものがたり」を作成した。取材から映像の編集、映像中のイラストまで全ての工程を平方さんが手掛け、「聴覚障害者以外の人にも手話言語に触れてほしい」と話す。

 手話による物語の読み聞かせや、イラストレーターの技術を生かした絵本制作をやりたいと思っていた平方さんは2月、県聴覚障害者サポートセンター(佐賀市)に相談した。センターの自主事業としてDVDを作成することになった。

 有田焼創業400年の節目に合わせ、陶祖李参平をテーマに取り上げた。脚本を作る際には、李参平の子孫、14代金ケ江三兵衛さんにも取材した。平方さんが事前にメールで質問項目を送り、実際に金ケ江さんと会った際は、筆談で取材を進めた。

 DVDは15分。平方さんが出演し、豊かな表情で物語を手話で表現。場面を描いたイラストも同時に映し、視覚で分かりやすい構成になっている。

 字幕付けや内容に合わせたイラスト制作、有田の町並みの写真撮影なども、すべて平方さんが行った。

 同センターは今月、佐賀市教育委員会に市内の小中学校用53枚、同市立図書館に14枚のDVDを寄贈した。今後、県内の小中学校にDVDを贈る。

 平方さんの取材に付き添った手話通訳士の清田大輔さん(35)は「小さな頃から手話に触れることで、手話は普通のものという感覚を持ってもらいたい」と話す。寄贈に同行できなかった平方さんは、「障害の有る無しに関わらず、多くの人に見て楽しんでほしい」とメールで語った。

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