極東国際軍事裁判の法廷で使われたものと同型の、有田焼の磁器が施された魔法瓶の卓上ポット。右は山口己年男館長=大阪市

 象印マホービンが本社内の「まほうびん記念館」(大阪市北区)で開催中の企画展「有田焼とまほうびん」が話題を呼んでいる。有田焼の磁器ケースに包まれた希少な魔法瓶が目玉だ。戦時中に製造され、連合国による戦後の極東国際軍事裁判(東京裁判)の法廷内で使われたものと同型の魔法瓶が来館者らの関心を集めている。

 今年で創業400年を迎えた有田焼と魔法瓶の歴史的なつながりを知ってもらおうと企画した。

 有田焼の磁器が施された魔法瓶の卓上ポットは、同記念館の山口己年男館長が昨年、西松浦郡有田町にある有田焼窯元「源右衛門窯」で存在を知り、同型のポットが東京裁判で使用されたことを突き止めた。形状は「おしゃれな欧風の水差し」といった雰囲気。法廷内にある場面をとらえた写真パネルも展示中だ。

 山口館長によると、魔法瓶のケースは通常、金属を使うが、戦時中は金属不足のため有田焼の磁器が採用された。「金属不足だった戦中の魔法瓶の歴史には空白がある。有田焼のポットは戦中の歴史を知る上で貴重だ」と説明する。有田焼の茶器と同じ柄のポットが一緒になったギフトセットも披露している。

 11月9日まで。入館は平日のみで無料だが、事前予約が必要。問い合わせは同記念館、電話06(6356)2340。【共同】

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