現在の唐津市役所本庁舎。敷地北側に建つ横長の庁舎で、南側に突き出しているのが議会棟。城下町や曳山通りにふさわしい配置や外観の視点も求められる=唐津第一ホテルから撮影

A案1階に市民窓口集約

B案広場と駐車場が連携

C案正面空間が狭く課題

 唐津市役所本庁舎の現地建て替え計画の検討が具体化し始めている。新庁舎には利便性や防災拠点、まちづくりや景観への配慮など多様な視点が求められる。市民の代表らで構成する建設委員会には配置や手順を記した平面図3案が提示された。それぞれ想定される長所や短所が浮かび上がっている=図表参照。

 敷地の北側に横長に建つ現庁舎は1962年に建てられた。2008年の耐力度調査で耐用年数の限界が近いと分かり、耐震補強しても耐用年数の延長は難しいと判断。建設委の前身となる検討委員会が11年に「現地建て替え」を提言した。

 これを前提に、市は大手口センタービル(旧まいづる百貨店跡地)の5、6階を購入し、一部部署を移転。建て替え時期としていた合併特例債の活用期限の2020年度が迫り、基本計画の策定を進めている。

 必要な面積を算出した上で、配置などを大まかに記した平面図が3案示された。どれも現在敷地中央部にある議会棟は新庁舎に取り込み、敷地南東部の「憩いの広場」はなくすことを前提にしている。

 基本計画を検討している建設委(委員長・宮島清一唐津商工会議所会頭)には先月末に初めて示された。当日の論議では敷地南西部に建つB案(6階建て)を支持する発言が多数。「広場と駐車場との連携が大事。人が集える場所が中心部にできる」「現庁舎を使いながら建設できる」とし、他案を推す声はなかった。

 敷地東側のA案(6階建てと3階建て)は大手口別館との連携が取りやすく、建築面積が広くて1階フロアに市民窓口部署を集約でき、市議会特別委員会で市議の支持が多かった。ただ「これまで議会にはA案だけが示されてきた経緯があり、刷り込みがある。決めるのはあくまで建設委員会」(熊本大成委員長)とし、一歩引いた形で議論の行方を注視している。

 どの案も長所がある半面、A案は建築面積が大きく、工事費が割高になる可能性があり、B案も正門から正面に庁舎が見えないなどの課題がある。敷地中央部に建つC案(6階建て)も正面スペースの狭さなどの欠点を抱える。

 現在の空きスペースに仮設庁舎を設ければ、理想的な庁舎が可能だが、建設費が高く、工期も長くなるため、除外した。18年度着工、20年度完成を目指す中、スケジュールに余裕はなく、前回の建設委では現在は中央部に建つ議会棟を別の場所に一時機能を移せば、案によっては工期短縮につながるとの意見も出た。

 年内には基本計画を策定し、年度内にプロポーザル(提案)方式で設計業者を選定する予定。担当する総務課は「設計段階で比較検討するには1案に絞るほうが望ましいが、業者にかける段階で複数案あってもいい」と建設委の議論を見守る。次回の委員会は28日。立体図などを示して検討を重ねていく。

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