TPPの本格導入前にできる準備について説明するジェトロ海外調査部米州課の秋山士郎課長=佐賀市の佐賀商工ビル

 26日開会の臨時国会でTPP(環太平洋連携協定)の本格導入を見据えた議論が再開されるのを前に、佐賀県内の輸出企業などを対象にしたセミナーが、佐賀市で開かれた。日本貿易振興機構(ジェトロ)海外調査部米州課の秋山士郎課長が、輸出する品目の関税削減率を事前に調べ、戦略を立てる必要性を訴えた。

 秋山課長は冒頭、「TPPで世界のGDPの4割を占める巨大な経済圏が生まれる」と強調。関税率を調べる方法として日本の税関のウェブサイトなどに掲載されている「HSコード」を紹介し、「国際条約で定められた世界共通の番号。輸出したい国の税関のサイトで関税率を調べるのに使える」と説明した。

 各品目ごとの関税削減・撤廃の方法やスケジュールを調べる方法に関しては「政府の対策本部のホームページに掲載されている譲許表で確認できる。国ごとに細かな取り決めがあるので注意を」と促した。

 日本はすでにシンガポールやメキシコ、豪州など14カ国1地域と経済連携協定(EPA・FTA)を締結しており、こうした協定の関税削減率を調べる重要性も強調。「米国、カナダ、ニュージーランドを除き、いろんな協定が発効している。TPPでは関税を段階的に削減するので、品目や取引時期によってはEPAやFTAが有利となるケースもある」として削減率を比較し、利用する協定を選ぶよう助言した。

 TPPは、EPAと異なり自国だけでなくTPP域内で生産された食品や製品が関税削減の対象。原材料の一部をTPP域外で生産していても、加工や組み立てで一定の付加価値を加えれば認められる。

 その一方、靴下や服などの繊維製品は例外に。「紡ぐ」「織る」「裁断縫製」はTPP域内で取り組まなければならず、秋山課長は「綿や毛製品を保護したい米国の思惑が働いている。日本企業は品質の高さから中国産の糸を使うケースが多く、条件を満たすのは難しいだろう」と語り、品目ごとの原産地規則を調べるよう念を押した。

 TPPは米国やシンガポール、豪州など12カ国で貿易や投資を自由化する協定。各国の議会で承認し、国内法に落とし込んだ上で幹事国報告を経て発効する。安倍政権は今臨時国会での承認と関連法案の成立を目指している。

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