◆11議会が95%超使用、不正発覚の富山市議会は全額

 全国市民オンブズマン連絡会議(名古屋市)は23日、都道府県と政令指定都市、中核市の計114議会で2015年度に支出した政務活動費の調査結果を発表した。支給額に対する使用額の割合(執行率)が95%以上だった議会は、前年度の26から減ったものの11に上った。16年度に不正が発覚した富山市は唯一、全額を使い切った。政活費は先渡しされ、未使用分を返納する議会が大半。オンブズマン会議の新海聡(しんかい・さとし)事務局長は「政活費が『第二給与』になり、使わなければ損という意識がある」と指摘した。

 有識者からは、執行率の高低だけでなく、使途の透明性や活動の質を重視すべきだとの指摘が出ている。

 今年6月に各議会事務局に質問票を送り、結果をまとめた。114議会のうち集計が間に合わなかった神奈川県横須賀市を除き、15年度の支給総額は約190億円。返還総額は14年度より約6億4千万円増え、約25億6千万円だった。全体の執行率は3・4ポイント減の86・6%となった。

 執行率が95%以上だったのは、都道府県が神奈川(97・9%)、福島(97・6%)、鹿児島(97・3%)など7議会。政令市は横浜(99・3%)のみ。中核市は鹿児島(98・0%)、前橋(96・7%)が富山に続いた。富山市は14年度も交付額のほぼ全額を使用。返還額は61円だった。

 「号泣会見」で話題になった元議員が政活費の詐欺罪で有罪判決を受けた兵庫県議会は前年度比10・4ポイント減の66・4%。事件が発覚する前の13年度から20ポイント以上減った。函館市(46・4%)や長崎市(58・2%)などは平均を大きく下回った。

 ホームページや安価なCDなどで領収書を公開したり、公開を予定したりしているのは高知県など20議会にとどまる。

 支払先が個人の場合に領収書の氏名を非公開とする議会が半数以上に上り、透明性が確保されていない実態も示された。

 佐賀県議会(議員1人当たり月額30万円)では昨年度、1億3228万2833円が交付され、1億1338万3331円を執行した。返還額は1889万9502円。執行率は85・7%で、前年度に比べ10・2ポイント下回った。

=用語解説= 政務活動費

 地方議員報酬とは別に、調査研究に必要な経費として会派や議員に支給される。2000年に「政務調査費」として導入された。12年の地方自治法改正を受け名称が変わり、国への陳情など「その他の活動」に広く使えるようになった。支給額などは各自治体が条例で定める。導入当初は領収書を公開する自治体はほとんどなく、使途が不透明だとして各地で住民監査請求や訴訟が起こされ、返還命令が相次いだ。「第2の報酬」とも指摘される。富山市議会では不正受給が相次いで発覚している。

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