佐賀県は、九州電力玄海原発(東松浦郡玄海町)の重大事故に備えた原子力防災訓練を、来月10日に実施する。熊本地震を踏まえ大地震の発生も想定した複合災害の訓練は初めて。30キロ圏内の住民や長崎、福岡両県、国とも連携し約70機関2200人が参加する。

 複合災害の訓練に関し、玄海町、唐津市、伊万里市の3地区では、震度6弱の地震発生で自宅が損壊した想定で避難所に移動した後、原子力災害で屋内に退避する。その後の避難は、市町の避難計画で定めた道路が使用できない想定で、別の経路を使う。

 今年3月の福岡県との合意に基づき、唐津市宇木地区の住民が、二丈浜玉道路、福岡市の都市高速、九州道などを経由して鳥栖市に避難する。伊万里市の住民は、訓練では初めて藤津郡太良町に向かう。県と佐賀県旅客船協会は避難に関する協定を結んでおり、神集島の住民は定期船を使う。玄海町の玄海みらい学園では、児童生徒を保護者に迎えに来てもらう。このほか、安定ヨウ素剤の配布や、8月に移転した唐津赤十字病院に負傷者を搬送するなど、合計17の訓練を実施する。

 2011年3月の東日本大震災と福島第1原発事故を受け、国は12年10月に原子力災害対策指針を策定、県は13年3月に地域防災計画を修正した。重点的な対策を取る対象地域が拡大したため、訓練はこれまで指針や計画修正への対応手順を優先していた。

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