男性介護ネット九州ブロック代表世話人の岡村敏治さん=福岡市

■岡村敏治さん(男性介護ネット九州ブロック代表世話人)
「男性介護者の支援必要/自ら助け求める姿勢も」

 未婚化や高齢夫婦世帯の増加を背景に、親や妻を介護する男性が増え、今では介護者の3分の1を占めている。「男性介護者と支援者の全国ネットワーク」(本部・京都市)は2009年に結成され、介護の悩みを一人で抱え込みがちな男性の交流や、介護を理由に仕事を辞める「介護離職」の問題の啓発に取り組んでいる。

 男性が介護虐待や不幸な事件の加害者となるケースが目立つ。最近の国の調査によると、家庭内で起きる高齢者虐待事件の加害者は、「息子」と「夫」で6割を占めており、男性介護者の支援策が必要だ。

 男性は一般的に家事や介護に不慣れで、介護をめぐるストレスを抱えやすい。さらに、仕事中心の生活で地域とのつながりが薄く、介護優先になっても周囲に相談できずに孤立し、悩みやストレスを深刻化させる傾向が強いといわれる。

 家族が認知症になってもすぐには介護保険サービスを受けなかったり、徘徊(はいかい)が始まるまで周囲に知らせなかったりした男性を何人か知っている。「恥ずかしくて相談できなかった」というが、事態を悪化させるだけだ。自分一人で何とかしようとせず、できるだけ早く助けを求めた方がいい。

 自助グループに参加したり、電話で相談を寄せたりした人は「話して気が楽になった」とこぼす。ただ、このような男性はごく少数で、助けを求めない人をどうすればいいか、私たちにも分からない。男性でも女性でも、誰もが安心して介護ができる社会の在り方をみんなで考えていきたい。

 ※男性介護ネットは10月15日午後1時から、年1回の九州ブロック交流会を福岡市博多区博多駅東1丁目のリファレンス駅東ビルで開く。佐賀からの参加も呼び掛けており、問い合わせは岡村さん、電話090(9562)0039。

=プロフィル=

 おかむら・としはる 男性介護ネット九州ブロックの代表世話人で、認知症の人と家族の会福岡県支部の世話人も務める。認知症の母を約5年間、自宅で介護。福岡市。77歳。

=読者と記者の交差点 「老老介護」どう支える= 識者インタビュー

このエントリーをはてなブックマークに追加