北朝鮮の拉致被害者の早期帰還が実現するように講演で協力を訴えた蓮池薫さん=佐賀市文化会館

 「拉致問題を考える県民の集い」が25日、佐賀市で開かれた。北朝鮮の拉致被害者の蓮池薫さん(58)が講演し、自由を奪われる境遇に置かれた経験や被害者家族の高齢化が進む現状を示し、「残された時間がない」と、早期に帰還が実現するように協力を訴えた。

 蓮池さんは、北朝鮮が2月に拉致被害者の安否調査を中止し、日朝間の対話がさらに困難になった状況を踏まえ、「核実験や弾道ミサイル発射の問題と拉致問題を切り離し、早期の交渉再開に向けて情報収集や支援の方法などの準備をしておくべき」と強調した。

 北朝鮮での生活も振り返り、絶えず監視され、自身の出自や拉致の経緯を子どもにも告げられなかった苦悩を明かした。

 その上で「残された被害者や親は帰国できるかどうかでずっと神経をすり減らしている。夢と絆を取り戻すために問題を打開してほしい」と呼び掛けた。

 県民の集いは、2013年に国民の集いが佐賀県で開かれたのを契機に、県や救う会佐賀などが毎年開いている。蓮池さんは前年に続いて講演し、約900人が聴講した。

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