Q.通勤中にセンターラインをオーバーしてきた車と正面衝突し、けがをしました。相手の車は任意保険にも自賠責保険にも加入しておらず、相手方とも連絡が取れない状態です。泣き寝入りするしかないのでしょうか。

   ◇   ◇   ◇

A.交通事故の損害は高額になる場合が多く、無保険車との事故では加害者本人は賠償金を支払えないことが考えられます。

 しかし、この場合でも一切の保障が受けられないことはありません。けがの保障については、加害者が自賠責保険にも入っていない場合であっても、自賠法に基づく「政府保障事業」により、労災や健康保険などを使用してもなお被害者に損害が残る場合には、法定の限度内において政府がその損害を立て替えて賠償するという制度があります。

 また、ご自身の自動車に「人身賠償特約」や「搭乗者損害賠償特約」などが付帯されている場合、自分の自動車の保険から支払いを受けることも可能です。一般的な保険契約であれば無保険車との事故に備えて何らかの特約がセットされていますので、ご自身の保険会社にお問い合わせされるといいでしょう。

 物損については政府保障事業のような制度はありませんので、原則として加害者に賠償を請求するほかありません。もっとも、ご自身の自動車に車両保険をかけていたら、車両保険から賠償を受けることが可能です。

 なお、政府保障事業や被害者の保険を使って賠償を受けた場合、政府や被害者の保険会社が支払った金額について加害者に求償することが可能となります。自賠責保険に加入していないのはそれだけで大きな違反になりますし、任意保険に入っていなくても大丈夫ということは絶対にありません。保険に入らず事故を起こした場合、数千万円から数億円の賠償を求められることもあります。

 車やバイクを運転する責任として、自賠責保険はもちろん任意保険にも必ず加入するようにしてください。

(弁護士 半田望・佐賀市)

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毎週火曜17時半~19時半、土曜13~15時半

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