TPPを含む自由貿易協定に潜む問題点について語る染谷孝佐賀大学農学部教授=佐賀市のメートプラザ佐賀

 佐賀県民の食糧と健康を守る運動連絡会発足を記念した講演会が25日、佐賀市で開かれた。臨時国会で焦点となる環太平洋連携協定(TPP)承認案について、佐賀大学農学部の染谷孝教授は「TPPで食や地域が破壊される」と発効への懸念を訴えた。

 染谷教授は、メキシコが米国やカナダと結んだ北米自由貿易協定(NAFTA)で、主食のトウモロコシが米国から流入して国内生産が激減した後、バイオエタノール原料の需要が高まり、価格が高騰して食糧危機に陥った事例を紹介した。TPPも同様に農産物輸入が増大する懸念を示し、「食糧を自給できない国は独立国とは言えない」と指摘した。

 TPPのメリットとされた工業製品の輸出についても、「自動車産業の関税撤廃はまだ先の話。外国人労働者が無制限に流入して低賃金化が進む」と批判し、「暮らしを守るためには批准させてはならない」と強調した。

 連絡会は県農民連など家族経営を基本とする農業や、安心・安全の食料生産を守る趣旨に賛同した団体・個人で結成した。記念講演は約40人が聴講した。

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