オール電化の販促キャンペーンで使うのぼり旗の前で、営業再開の狙いを語る九電の渡辺義朗常務(手前右)=福岡市の電気ビル共創館

■川内再稼働、供給に余裕

 九州電力は10月1日から、福島第1原発事故の影響で自粛していたオール電化の営業活動を5年半ぶりに全面解禁する。昨年の川内原発(鹿児島県)再稼働で電気供給量に余裕ができたと判断、12月末まで九州各地で大掛かりなキャンペーンを展開し、テレビCMも復活させる。電力の小売自由化による顧客流出に歯止めを掛ける狙い。

 28日に福岡市で会見した九電の渡辺義朗常務は、オール電化の営業再開について「川内原発の再稼働により、省エネを徹底しなければ電気が足らなくなるという状況を脱した」と理由を述べた。

 川内原発の再稼働で、九電の2016年3月期決算は5年ぶりに黒字転換した。営業再開の背景には、収支改善が進み、広告宣伝費を増額できるようになった側面もある。キャンペーンの事業費は「非公表」だが、「過去にない規模」としている。

 各家庭を回るセールス社員を昨年度から倍増、約200人態勢にした。キャンペーンでは電気給湯器メーカーなどと連携して販促イベントを展開する。原発停止による電力不足で自粛していたテレビCMも始め、年内にオール電化家庭の1万3千戸増を目指す。

 4月の電力小売り自由化以降、九電管内では8月末までに8万1千件の顧客が新規参入の電力会社に切り替えており、「販促を強化し、顧客流出を限りなくゼロにしたい」と強調した。

 九電によると、15年度に九州で新築された戸建て住宅のオール電化導入率は61%で、11年度と比べ2割減少した。原発の収支改善効果は、川内1、2号機で月100億円、玄海3、4号機は同120億円と試算している。

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