今年で開館50周年を迎える唐津城天守閣。唐津のまちのシンボルとして親しまれている=唐津市東城内

1966年10月29日付の佐賀新聞。1面には「〝慶長の姿〟再現」の見出しが躍る

■当時は賛否、今や“顔”

 唐津市のシンボル「唐津城天守閣」が1966年10月28日の開館から間もなく50年を迎える。史実では存在しなかった天守閣を「観光施設」として築造。半世紀を経て、今では唐津の顔としてすっかり定着した。10月1日には記念式典やイベントを開催。夜にはプロジェクションマッピングがスタートし、城壁や石垣をスクリーンにして唐津の魅力を発信する。

 「“慶長の姿”再現」。1966年10月29日の佐賀新聞1面には、唐津城落成式の様子を伝える見出しが躍る。当日は記念式典のほか、1300人の仮装行列や曳山展示などの祝賀行事が行われ、5万人の人出で沸いたという。天守閣は午後3時から一般開放され、開館前に約300人が列を作ったと伝えている。

 唐津城天守閣は、昭和グループ創始者の故金子道雄市長が「観光唐津」の中心施設にしようと建設を打ち出した。市の年間予算の1割を超す膨大な総工費や史実に反することへの批判も強く、建設の賛否を巡って世論は真っ二つに分かれた。天守閣建設の予算案が出た65年3月議会は怒号や罵声が飛び交い、傍聴席に入場できなかった市民が正副議長を一時缶詰めにする大混乱が起きたという。

 今では、唐津のシンボルとして広く親しまれている唐津城。天守閣の無料開放に加え、歴史ブームや外国人観光客の増加もあり、昨年度は16万人が入場した。市観光課の山口伸英さんは「今、城から見ている景色は当時のお殿様も見ていない景色。そう考えると非常にぜいたく。建設は英断だったのでは」と話す。

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 10月1日の記念式典には、金子元市長の孫・金子直幹さんらを招待。植樹や餅まき(午前11時45分頃)も行われる。当時の建築記録の写真パネルを展示し、石工や石割体験も開催。台風接近で延期されていた唐津城跡本丸文化財調査の現地説明会も、午前10時と午後2時10分からの2回開かれる(事前申し込み不要)。

 唐津城天守閣は改修工事に入るため2日から休館し、2017年夏にリニューアルオープンする予定。

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