四国電力伊方原発2、3号機(愛媛県伊方町)は南海トラフの巨大地震の震源域上に位置し、安全性が確保されていないとして、対岸の大分県の住民264人が28日、運転差し止めを求めて大分地裁に提訴した。

 訴状で住民側は、伊方原発は南海トラフに加え、中央構造線断層帯などの活断層も近くにあり、地震で猛烈な揺れに襲われる恐れがあると指摘。「国の新規制基準による審査では、耐震設計の目安とされる地震の揺れ(基準地震動)が過小評価されており、審査を通過しても安全性が保障されたとは言えない」としている。

 さらに津波被害の予測にも懸念を示し「原発で過酷事故が起きれば、生命や身体、生活に重大な被害が生じる」と主張している。提訴後の記者会見で弁護団共同代表の徳田靖之弁護士は「長年にわたって古里が汚染され、広範囲の人々が住めなくなる事態が起こり得る」と訴えた。

 伊方原発3号機は昨年7月に原子力規制委員会の審査に合格。今年8月に再稼働し、今月7日に営業運転に入った。2号機は定期検査中。運転差し止めを求める訴訟は松山、広島両地裁にも起こされている。

 大分県は豊後水道を挟んで伊方原発の対岸に位置し、最も近い所で50キロ圏内に入る。愛媛県の避難計画では重大事故の際、伊方町民らの避難先にもなっている。【共同】

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