脳神経外科を訪れる患者の多くが「めまいがする」「頭が痛い」「もの忘れがある」といった症状を訴えて受診します。緊急性がないものもありますが、それらが深刻な病気の前兆であることも少なくありません。画像診断の最新機器を使って、脳の病気の早期発見に努める萩原脳神経外科クリニックの萩原直司院長に、くも膜下出血の症状や前兆などについて聞きました。

動脈瘤の有無を調査

 くも膜下出血は脳血管の瘤(こぶ=脳動脈瘤)が破裂し、脳が重篤な障害を受ける病気です。症状は「初めて経験する、頭をハンマーで殴られたような強い頭痛」と形容されます。くも膜下出血を経験した患者さんに聞くと、「実は数日前にも気になる頭痛があった」とか、「目の調子がなんとなく悪かった」などの前兆があったという人が多くみられます。


脳の画像分析

 脳動脈瘤が瞬間的に破裂すると思う方も多いと思いますが、瘤が大きくなってしばらくたってから破裂することが多々あります。さらに動脈瘤が大きくなって動眼神経を圧迫し、ものが二重に見えたり、まぶたが下がったり、まぶしく感じたりします。このようなときはMRIなどで、脳血管をみて動脈瘤の有無を調べることが必要です。

脳の血管がつまる病気

 脳梗塞は脳の血管がつまる病気。症状は脳の血管がつまる場所によって目がまわる、片側手足に力が入らない、しびれる、片目が見えない、視野が欠ける、言葉が出てこない、字が書けない、ろれつがまわらないなどさまざま。脳梗塞には脳のごく小さい血管が詰まる「ラクナ梗塞」、心臓の不整脈などが原因で心臓内に血塊ができ、脳の血管に移動して詰まる「心原性脳梗塞」、頚動脈の血栓が脳の血管で詰まる「アテローム血栓性脳梗塞」など多種あります。最近は発症4、5時間以内に投与すると、症状の改善につながる「t-PA」のような薬剤も登場していますから、早期発見は欠かせません。

 脳梗塞の前兆として、一過性脳虚血発作(TIA)があります。脳梗塞と同じ症状が現れますが、数秒から数分、長くとも24時間以内に消えてしまうものです。TIAを経験すると、5年以内に約4割程度の人が大きな脳梗塞発作を起こすことが知られています。「一瞬片目が見えなくなった」「茶碗やはしをぽろっと落とすことがある」など、心当たりがある方は、早めの診察をおすすめします。

手術で治る認知症

 老化によるもの忘れと、認知症は違います。老化によるもの忘れは自然のなりゆきで判断力低下はなく、日常生活には特に問題ありません。一方、認知症は判断力が低下し、日常生活が困難となります。その進行が速いのが特徴です。


萩原脳神経外科クリニックの外観

 当クリニックではMRIやCT検査を行っていますが、この画像でさまざまなことが分かります。例えば小さな血管が詰まっている脳梗塞の予備軍「隠れ脳梗塞」がある人はたくさんいます。怖がる必要はなく、経過の観察をしていくことが大事です。そのためには気軽に行ける脳神経外科のかかりつけ医を持つことをおすすめします。

MEMO 検査は20分程度

 当クリニックでは、最新の画像診断機器「1.5Tesla 超電導MRI」や「16列CT」を完備。鮮明な画像で脳梗塞などの早期発見や的確な経過診断で最良の治療が可能です。苦痛もなく20分程度の短時間で済む検査です。大事になる前に年1度の脳の検査をおすすめします。


ドクター紹介

萩原 直司
萩原脳神経外科クリニック 院長

はぎはら なおし 佐賀市生まれ。1991年佐賀医科大学(現佐賀大学医学部)卒業後、 佐賀医科大学脳神経外科入局。 1997年から2年間、米国National Institutes of Health脳神経外科へ留学。2000年に医学博士学位、日本脳神経外科専門医の資格取得。佐賀県医療センター好生館勤務など経て2014年に開業。現在、佐賀大学医学部臨床教授(医学科)も務める。


萩原脳神経外科クリニック

このエントリーをはてなブックマークに追加