最近目立つ「大腸がん」元気なうちの「検診」で防御

 1981年以来34年間、がんは日本人の死亡原因第1位。高齢化も手伝って年々増加し、昨年は全死亡原因の約3割37万人をがんが占め、3.5人に1人が亡くなっています(※1)。しかし、がんは治る時代です。最新機器の開発でがん検診の精度は高くなり、胃がんや大腸がんなど早期(ステージⅠ期)に発見すれば約90%の人が治癒するといわれています。がんの特効薬は早期発見、早期治療。大腸CTCやPET-CTのがん検査の最新機器を備える福岡病院(佐賀市)理事長兼院長の福岡英信氏に話を聞きました。※1 厚生労働省 平成27年人口動態統計月報年計(概数)の概況より

35歳を過ぎたら「がん年齢」

 人の体には毎日、約3000個ものがん細胞ができていますが、がん化しないのは免疫細胞ががん細胞を退治しているから。しかし、35歳を過ぎたあたりから免疫力が急激に下がってきます。そのためがん細胞を退治する力が弱くなり、40歳くらいからがん細胞が不良化して、徐々に暴走し始めます。35~40歳は仕事や子育てなど人生で一番忙しい時期ですが、「そのうち」と検診を後回しにして発見が遅れると、長期入院や抗がん剤治療で予後も大変つらいものになります。自覚症状がないだけに具合が悪くなってからでは遅く、元気なときが勝負です。

膵頭部がん写真

PET-CTで見つかった膵頭部がん

大腸がんを楽に発見!最新の大腸CTC検査

 特に最近目立っているのが大腸がんの増加です。がんの罹患率は昨年肺がんを抜いて大腸がんが第1位。特に2003年(平成15年)以降の女性死亡率第1位です。大腸がん検査の主流は内視鏡検査ですが恥ずかしさや痛みなどもあって、検診が後回しになりがちです。しかし、近年、内視鏡を使わない大腸 CTC検査で簡単に検査ができるようになりました。炭酸ガスで腸を膨らませてうつ伏せと仰向けの2方向からCT撮影し、大腸の3次元画像を作り出してすぐに診断。検査時間は約15分です。体の外からの撮影なので苦痛がなく、大腸のひだに隠れた小さなポリープも確認でき、形成の異常もコンピューターが教えてくれます。大腸がんは進行が遅く、転移も少ないおとなしいがんですから、早期に発見すればほとんどの場合完治します。当院のように大腸CTC検査を備える医療機関は非常に少ないですが、年に1回受けておけば安心です。

PET-CT検診で全身のがんを1度にチェック

 検診は肺、子宮など部位別が一般的ですが、がんはどこにできるか分かりません。PET-CT検診では約2時間で一度に全身のがんをチェックできる有用性があります。この検査はがん細胞がブドウ糖をエネルギー源としている特徴を生かしたもの。ブドウ糖に似た薬剤(FDG)を注入すると、がん細胞にFDGが集まり光を発します。画像でその光をとらえると大きさや形、位置、病変の性質が正確に把握でき、約6ミリというごく初期のがんも確認できます。普段からよくブドウ糖を使う脳のほか早期の胃がんなど苦手ながんもありますが、当院でも超音波やMRIなども併用して検査の精度を上げていきます。

大腸がん写真

大腸がんPET-CT画像(左)と大腸CTC画像(右)

健康寿命を長く、骨粗しょう症予防

 高齢化が進む中、がん検診とともに注目されているのが骨粗しょう症予防。骨粗しょう症は骨の中がスカスカになる病気です。閉経後の女性に多くみられ、患者の7割の方が痛みを感じないために、いつの間にか、骨折していたということもしばしばです。ロコモから介護生活になる可能性が大きくなります。30~40代でも予備軍はいますから要注意。X線検査や超音波検査、採血検査で骨密度を調べることをおすすめします。日頃から転倒しないように太ももの筋肉を意識し、ウオーキングなどで鍛えてください。

 当院の「骨粗鬆症外来」ではX線検査の1つ「DXA(デキサ)法」で全身を精密に検査し、正確な骨密度を把握します。服を着たままで検査時間は約5分。骨粗しょう症の方には患者さんが継続しやすいタイプの骨密度を上げる薬や骨形成を早める薬を選んで投与。骨粗しょう症の予防や転倒予防も兼ねたリハビリも併せて行っています。

 がんも骨粗しょう症も早期発見、早期治療が大事です。家族を悲しませないためにも、元気なうちから検診を心がけてください。

MEMO

PET-CT検診。無金利で分割払い可能

 PET-CT検診は年1回または2年に1回が理想。当院のPET-CT検診は89300円(スタンダードコース)からで、無金利の分割払いが可能です。例えば2年に1度の受診で月々3600円。ご両親への誕生日プレゼントにするなど、検診のきっかけを作って早期発見に努めてください。

ドクター紹介

福岡英信氏

福岡 英信
医療法人 福翔会
福岡病院 理事長 兼 院長

ふくおか ひでのぶ 日本核医学会・内科医学会・抗加齢医学会・腫瘍学会・放射線腫瘍学会所属。PET核医学認定医。

福岡病院紹介

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