鹿児島銀行(鹿児島市)は29日、卸売業者や運送会社などと共同で農業法人を設立すると発表した。設立は30日付で、農地を借り受け、野菜などを栽培する。三井住友銀行が秋田県でコメの生産に乗り出すと公表した例があるが、金融機関の農業参入は珍しい。農業で安定的に収益が見込めるようにして、地域活性化につなげるのが狙い。

 鹿児島県日置市の農地約0・3ヘクタールでタマネギやオクラを栽培。同市の耕作放棄地約4ヘクタールにはオリーブを植え、将来的な出荷を目指す。鹿児島銀の出資比率は3%程度だが、農業法人のトップに現職の支店長を充て、経営への関与を鮮明にする。

 29日に記者会見した鹿児島銀の上村基宏頭取は「今のままでは農業の後継者がいなくなり、耕作放棄地も増えてしまう」と農業への危機感が参入の背景にあると説明した上で「大規模化することよりも、誰がやっても成功する方法を作りたい」との考えを示した。

 農業法人の名称は「春一番」で、県内農家らから指導を受けながら生産する。地域の雇用の受け皿になることも目指しており、県内の農業大学校や農業高校などから積極的に採用していく考えだ。

 農業法人には、同じ九州フィナンシャルグループ傘下の肥後銀行(熊本市)と鹿児島銀が共同出資する農業向けのファンドも加わる。【共同】

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