■ちょっとでも安心できるように 迷子おんぶ小5女児

 深まる秋、芸術の秋。合唱組曲「唐津」の市民合唱団の練習会で、九州交響楽団音楽監督の小泉和裕さん(66)の指導が熱を帯びました。

 「人についていけばなんとかなるという人がいれば、音楽的にダメージを受ける。邪魔は駄目だが、前向きに歌うことに努めてほしい」

 団員に向けての一言ですが、こうした姿勢は音楽に限らず、いろんな分野や場面でも求められそう。

 敬老の日が巡ってきたためか、人生の先輩たちの言葉が印象的でした。

 「この年を迎えられるとは夢にも思っていなかった。暇なので子どもたちに勉強を教えたい」

 佐賀県内の最高齢で111歳の中地シゲヨさんが佐賀市長の表敬訪問を受けてぽつり。小学校や幼稚園で先生だった経験があるとはいえ、熱意には敬服するばかり。卒寿を迎えた武雄市の古賀行雄さん(90)は実際、子どもたちに剣道を教え続けています。

 「早く上手になろうと思うな。練習を重ねていけば強くなる」

 優勝したプロ野球・広島カープの緒方孝市監督(47)=鳥栖市出身=は、同様の教えを実践した一人なのでしょう。ナインへのねぎらいに思いがにじみます。

 「選手は一試合一試合、力を付けて頼もしい限りです。本当によく頑張ってくれた」

     *

 9月上旬、長年介護してきた71歳の妻を自宅で殺害した疑いで、鹿島市の69歳の夫が逮捕、起訴されました。事件が起きる数日前、夫は疲れた表情で関係者にこぼしたといいます。

 「もう死んだ方がまし」

 「死に場所を探さないかん」

 介護を苦にして無理心中を図ったとみられる事件。老老介護に限らず、介護を担う人たちをどう支えるか、思案のしどころです。

 坂井俊之唐津市長の献金問題を巡る佐賀県警の捜査は節目を迎え、焦点は検察が起訴するかどうかの判断に移りました。

 「起訴か、不起訴か、起訴猶予か、判断を待つのみ。検察の判断が出れば、それなりのしかるべき対応を考えたい」

 市長は定例市議会でこう答弁。身の振り方で思案のしどころのようです。

     *

 鹿島市の小学5年生、熊本眞子(まこ)さん(11)は迷子の4歳の女の子をおんぶし、1キロほど離れた駐在所まで歩いて保護。警察署から感謝状を贈られました。

 「ちょっとでも安心できるように」

 家族とはぐれた女の子をそう気遣った熊本さん。おぶわれた子は、すやすやと寝ていたとのこと。誰かに気づかれなくても、こうして何かをやり遂げることができたら、人生の秋も実りある深いものになっていくような気がします。

(年齢、肩書は掲載当時)

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