出発前にエンジンルームを点検する運転手=佐賀市交通局

■佐賀市交通局「このままなら縮小も」

 路線バスの運転手が不足している。大型二種免許の保有者が減って人材確保が難しくなっているためで、業界では免許取得費用を援助するなどの取り組みも広がっている。佐賀市でも「市民の足」としてバスが担う役割は大きく、市交通局は「このままいけば路線縮小もあり得る」と危機感を募らせる。

 佐賀市南部をカバーする市交通局には現在94人の運転手がおり、平均年齢は53歳と高齢化が進んでいる。現状でも運転手は6人足りず、時間外勤務で路線をなんとか維持しており、「病気やけがで欠員が出ればさらに厳しくなる」と担当者。人手不足が解消せず、高齢化が進めば「路線縮小も検討せざるを得ない」とこぼす。

 市交通局は随時、運転手を募集しているが、なかなか人が集まらない。免許を持つ人が全国的に減少しているためで、2011年に104万人いた保有者は、15年には96万人まで減っている。また県内に大型二種免許の公認教習所がなく、取得に60万円前後の高額な費用が必要なことも、人材確保の壁となっている。

 市交通局のベテラン運転手(52)は「偏りが出ないようシフトを組んでもらったり、体調にも気を遣ってもらったりと配慮してもらっている」と話す一方、「人は足りてない。時間外勤務や公休出勤が増え、25年間働いてきて今が一番きつい」と打ち明ける。

 対策を打つ事業所もある。西鉄バスは、採用枠を大型二種免許取得者以外にも広げ、自社で運転手を育成している。自社が持つ自動車教習所に通わせ、免許取得にかかった費用を5年間で全額支給したり、普通免許を持つ高校新卒者を採用して3年後に大型二種を取得させたりと、人材確保に力を入れている。

 県バスタクシー協会は「深刻な問題だと認識しているが、現時点で具体的な対策や話し合いの場などは持てていない」と動きは鈍い。市交通局の大塚智樹副局長は「路線バスは地域住民の足。路線縮小は避けなければならない。人材確保は業界全体の問題であり、各事業所がどうこうできるレベルを超えつつある。国や県単位で大型二種免許取得者を増やす取り組みが必要ではないか」と指摘する。

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