景徳鎮製祥瑞碗(左)と有田製の赤壁賦文碗(右)(ともに山辺田遺跡出土)

 今月9日から1月15日まで、佐賀県立九州陶磁文化館において、有田焼創業400年記念イヤーの最後を飾る特別企画展「日本磁器の源流」が開かれている。

 日本磁器の源流といえば、ついつい朝鮮半島・李朝時代の製品を思い起こしがちだが、会場に所狭しと並ぶのは、14世紀から19世紀に至る、景徳鎮を中心とした中国磁器の数々である。

 そのほとんどは、今でも神奈川県で発掘調査に従事されている冨永樹之さんが、出土資料に見かけるような伝世品をコツコツと収集し、九州陶磁文化館に寄贈されたものである。

 一つ一つは、一生に一度目にする機会がありやなしやという名品ではなく、多くはかつて日本にも輸入され、消費されていた類いのもの。肩肘を張らずに、気楽に楽しむことができる展示である。

 有田で始まった日本磁器は、李朝の生産技術をベースとしながらも、当初から競合品として製品の手本としたのは、当時ほぼ国内市場を独占していた中国磁器であった。つまり日本磁器とは、いわば「李朝の技術で生産された日本人好みの中国風磁器」であり、日本磁器の源流として中国磁器を取り上げる意義がここにある。

 参考資料として、山辺田遺跡出土の景徳鎮製の祥瑞(しょんずい)碗や、逆に中国磁器を摸した有田の赤壁賦文碗なども展示されており、有田がどのような形で中国磁器の影響を受け入れてきたのかを考える上でも、有意義な展示である。

(有田町教育委員会学芸員・村上伸之)

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