西武の新監督に就任し、記者会見する辻発彦氏=3日、埼玉県所沢市内の球団事務所

◆2年契約、背番号85

 西武は3日、今季中日で作戦兼守備コーチを務めた球団OBの辻発彦氏(57)が新監督に就任すると発表した。埼玉県所沢市内の球団事務所で記者会見した辻新監督は「勝負師として優勝目指して精いっぱい頑張ろうという気持ちでいっぱい」と抱負を語った。契約は2年で、背番号は85。【共同】

 西武は3年連続でクライマックスシリーズ進出を逃し、9月27日に田辺徳雄監督が辞任を表明した。リーグワーストの101失策を記録した守備が低迷の要因の一つとして挙げられ、コーチとして厳しい指導に定評があり、西武の黄金期を支えた名二塁手にチームの再建を託した。

 辻監督は「1点をいかにして取るか、守るかというところから始めたい」と理想とする投手を中心とした守りの野球について話した。

◆「まず球際」意識改革

 西武は今季リーグ最多の101失策などミスが敗戦につながることが多かった。豪快な打力が持ち味のチームに、競り勝つそつのなさを加えることが期待されている。

 球団は新監督の条件を「球際に強いチームをつくってくれる人」としていた。辻監督は打撃で首位打者、守備で8度のゴールデングラブ賞を獲得し、通算242盗塁。選手時代からあらゆる局面で細かいプレーに目配りのできる存在だった。

 そつのなさと勝負師ぶりを強く印象づけたのは1987年の巨人との日本シリーズ。第6戦の八回、相手の隙を突いて一塁から単打で一気に生還し、脚光を浴びた。

 「球際は選手一人一人の気持ちだと思う。実のある練習の中から実力を付けていってもらいたい」と練習からの意識付けを強調する。

 投手陣の整備という未経験の課題はあるが、まずは野手陣の意識改革が仕事となる。秋山、浅村、中村らを擁する打線の力は球界屈指。そこに「球際」の意識を浸透させ、新たな黄金時代の土台とできるか。

■一問一答 「古巣へ恩返し」「投手中心に守りから」

 西武の辻発彦新監督は、チームカラーの水色のネクタイを締め、再建への強い決意を語った。

 -古巣から就任要請。

 「監督という話が自分に来ると思っていなかった。西武にスカウトされて野球界に飛び込み、そこでの12年間が今の自分をつくり上げた。何か恩返しできればという気持ち」

 -目指すチーム像は。

 「常勝チームがここ数年低迷し、何でこういう状態にあるのかと自分なりに考えたこともある。野球は投手を中心とした守りから入っていかないと、143試合戦って優勝することはできない」

 -球団からは「球際に強いチームを」と期待されている。

 「球際は選手一人一人の気持ち。練習から意識付けをさせて、実力を付けていってもらいたい」

 -古巣への愛情は。

 「いろんなところに行って必ず出てくる言葉が『西武の辻さん』としか出てこない。(周囲も)喜んでくれて、本当にやらなきゃという気持ち」

 -監督として貫きたいことは。

 「勝負の勝ち負けは監督の責任だとよく言うが、選手を信じて最後まで諦めずにやることは貫いてやっていきたい」

 ■辻 発彦(つじ・はつひこ)

 佐賀東高から日本通運を経て1984年にドラフト2位で西武に入団。93年に首位打者となり、二塁手としてゴールデングラブ賞に8度輝いた。96年からヤクルトでプレー。99年に引退してからはヤクルト、横浜(現DeNA)、中日でコーチを務めた。2006年のワールド・ベースボール・クラシックでは日本代表の内野守備走塁コーチ。通算成績は1562試合に出場して打率2割8分2厘、56本塁打、510打点、242盗塁。57歳。佐賀市出身。

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