1970年代に青春を送った世代はある種の感慨を覚えたろう。フォークソングの聖地、「ヤマハリゾートつま恋」(静岡県掛川市)が42年の歴史に幕を下ろしたというニュースが流れた。ここでのコンサートが近年、隆盛にある「野外フェス」の先駆けだっただけに、ちょっと寂しい◆レゲエの野外コンサートに行っていた若い頃を思い出すが、今、音楽業界はライブと音楽フェスの時代で、どんどん変化を遂げている。CDが売れない一方で、フェスやライブの動員数は右肩上がり。動画サイトやデジタル配信で音楽を楽しむ人も増えている◆音源を「持つ」時代から、インターネットで「接触する」時代、そしてライブで「体感する」時代になった。今春、佐賀市でコンサートを開いた山下達郎さん(63)も「50代なかばでライブに軸足を移した」と言っていた◆体験し、参加することの価値が増したから、「一緒に踊る」こともブームだ。流行が、ネットで散発的に発生する。なので、みんなが知るヒット曲が生まれにくくなったように思う。毎年、楽しみにしているNHK紅白歌合戦の今年の曲目をながめながら、時代の流れを感じるこの頃である◆「歌は世につれ…」という。音楽とダンスとテクノロジーを融合させた最先端のエンターテインメントが見られる紅白まで、あとわずか。(章)

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