自らを“奇跡の人”と呼ぶ。プロ野球パ・リーグ西武ライオンズの新監督に決まった辻発彦さん(佐賀市出身)が、著書で「人の出会いやタイミングのおかげでやってこれた」と野球人生を振り返っている◆リーグ制覇9回、日本一6回を果たした西武黄金期を支えた名二塁手。ゴールデングラブ賞に8回も選ばれ、首位打者にも輝いた。運やタイミングに恵まれた“奇跡”だけでは、こうはいくまい◆が、佐賀東高時代は甲子園と縁がないし、プロ・アマ通じて4番打者を務めたこともない。社会人野球に進んだのもちょっとしためぐりあわせといい、「全然自信がなかった。自分のレベルでプロでやれるとは思っていなかった」◆そんな辻さんを導いたのは、球史に残る名監督たち。西武では広岡達朗氏の管理野球で基礎を叩き込まれ、森祇晶(まさあき)氏からどうすれば勝てるかを学び、ヤクルト移籍後は野村克也氏から「ID野球」を吸収した。受けてきた薫陶を、自ら監督として発揮する機会がめぐってきた◆セ・リーグでは同じ佐賀県出身の緒方孝市監督が広島東洋カープを率いる。今季25年ぶりのリーグ優勝を果たし“神ってる”緒方監督と、奇跡を呼ぶ辻監督。ふたりがどんな采配を見せるか、観戦の楽しみが増える。いずれは日本シリーズで「佐賀んもん」対決が実現するかもしれない。(史)

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