秋。日本酒がおいしい季節だ

■東京で恋いこがれ

 本格的な秋の訪れを感じる昨今。左党には堪(たま)らない季節の訪れである。居酒屋のお品書きには秋口の酒である「ひやおろし」が、そして肴(さかな)も山海の実りがずらりとラインナップしている。

 最近の私はオフィスを出た途端に「何を呑(の)もうか」モードになってしまう。そそくさと足早に馴染(なじ)みの店へ。お店での定位置、カウンター左の端っこに陣取るやいなや、日々替わる地酒メニューとにらめっこを開始する。唐津やら佐賀のお酒はないものかと目を通す…が、あるはずもなく、店員さんのアドバイスに従い「今日の一杯目」を決めることになる。

 だが、仕事やらプライベートやらでどうにも厳しい事があったりすると、何故(なぜ)か普段はない、佐賀のお酒が入荷しているのだ。このお店でお目にかかる事が出来ない「万齢」「古伊万里 前」「東一」「鍋島」そして「七田」なんぞの一升瓶数種が冷蔵庫に鎮座している。

 僕は大の佐賀酒ファン。そう、なにより唐津酒が好きなのだ。それを一口含めば気分上々。一杯、二杯と注文の度に銘柄を替えて楽しめば、心地よい酔いが身体の隅々を巡り、明日への活力を呼び戻してくれる。そして例外無く、状況は好転するのだ。

 なんとも説明の出来ない、この呑み屋さん、さがん酒、そして僕の奇妙な現象は続いている。いずれにせよ、佐賀の日本酒に助けられているのは事実だ。有り難う、さがん酒、有り難う!

 日本でも珍しい「日本酒で乾杯条例」がある佐賀県、さらに「唐津焼で乾杯条例」のある唐津市。こんな素敵な事があるでしょうか。

 …と言うか、こちら東京でもっとイージーにさがん酒、手に入るようにならないかなぁ。

=略歴= 村田正俊

 むらた・まさとし 東京都出身、世田谷区在住。ポニーキャニオン勤務。唐津に魅せられ、その魅力を新聞、雑誌、ブログを通じて発信している。49歳。

カット書字は牧山桂子さん

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