11月、タイのホテルにそば店を出店する長尾瑞穂さん=佐賀市の中の小路そば勢

 佐賀市の佐賀玉屋でそば店「中の小路そば勢」を営む長尾瑞穂さん(40)が11月、タイ・バンコクのホテルに出店する。1999年に閉店した福岡玉屋時代を含めると30年近く、老舗百貨店の客に親しまれてきた「玉屋の味」で世界に挑む。そば勢は10日の営業を最後に閉店する。

 出店先は、米大手マリオット・インターナショナルが運営するホテルで、改装に合わせてそば店の出店を計画。ホテルの日本人料理長と付き合いのある佐賀県内の飲食店関係者の紹介で、長尾さんに白羽の矢が立った。家族は佐賀に残し、店を手伝ういとこの裕太さん(29)とタイに渡る。

 そば勢は78年、父親の茂穂さん(67)が福岡玉屋で営業を始め、長尾さんは20歳で店長を任された。福岡玉屋でも社長を務めた佐賀玉屋の田中丸善亮前社長の依頼で2009年、中の小路そば勢を開店した。

 福岡と比べるとしょうゆが薄く、砂糖が多いつゆを好む佐賀県民の味覚への対応に苦労したという。「佐賀のお客さんから、味のバランスの取り方を学んだ」と長尾さんは話す。百貨店ならではのサポート体制にも支えられ、技術を磨いてきた。

 ホテルからは「シンプルで質の高い料理を」と求められており、これまでと同じそばと懐石料理で勝負する。海外では、すしや天ぷらと比べるとそばの知名度はまだ低く、「そばを日本食の代表に育てたい」と夢を描く。

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